2017年7月15日チャールダーシュの女王は
皆様のご声援のお陰で満席御礼
大成功に終演いたしました。
ご来場下さいました皆様、関係者の皆様
本当にありがとうございました。
今回の舞台写真と共に今回の舞台をウイーン音楽研究家で、
いつも弊社のオペレッタを
応援してくださる柴山三明さんより感想をいただきましたのでご紹 介させていただきます。
三度目の「チャルダッシュの女王」を見て
柴山三明
何事でも「三度目」というのは、大事である。初めは失敗でも「三度目の正直」になるか。初めはお義理にでもと見ていただけで、「仏の顔も三度」となるか。当事者の努力にかかっている。
さて、去る7月15日、ムジカ・チェレステ によるオペレッタ「チャールダッシュの女王」の公演はどうだったであろうか。
前回と同じ浅草「花屋敷座」は満席の盛況であった。そして何よりも良かったのは「面白かった。」ことである。オペレッタの公演で「良かった」というのはあるが、面白かったと言えるのは以外と少ない。
前回の公演と比べると、先ず脚本がより整理されてスピード感が出ていた。このオペレッタは結構複雑で、ちゃんとやると3時間位はかかるが、今回は約2時間の上演、それだけに台詞部分や説明的場面はかなりカットされていたが、さわり集といった感じで、かえってわかりやすかった。
出演者も、皆役が身についてきた感じで、動きがスムーズになり、活き活きとした舞台が実現されていた。それに「花屋敷座」という舞台の枠組みに馴染んできているのが大きい。
歌手陣、主役のシルヴァを演じる佐藤智恵、前回迄は、少々軽い感があったが、演技
が格段に良くなり、重いところを重く演じられるようになった。
相手役のエドウィンは唯一交代、前回までの安保克則から河野裕亮になった。これは一長一短、安保には、迫力もある素晴らしい美声があるが、演技は堅い。反面、河野は声は及ばないが軽快な動きがあり、のみ込みも早く、初めての役どころで健闘していた。若いし、声の伸びしろもある。回を重ねれば更に良くなると思う。
このチームの素晴らしく、安心して見ていられるのは脇役陣に実力者がそろっていることである。ボニーの大石洋史、シュタージの今野絵里香は共に中堅オペラ歌手級の歌唱力に加えて、表現力、更に動きの良さがあり、オペレッタには最適の逸材、二幕から三幕の恋の駆け引きの微妙なところを見事に歌い演じていた。大石のように、ダンス陣をリードしつつ、とんぼが切れる歌手は、日本人ではあまり見たことがない。
フェリバーチの李昇哲、この役は、貴族で、遊び人で、かつ誇りと分別もあるという難しい役柄、彼は声も押し出しも申し分ないが、前回までは堅さが目立った。今回は歌も演技も柔軟さと表現の幅か広がっていた。それに、皆と踊れるようになったのは大きい。
オベレッタには、「こうもり」のフロッシュのように、良い狂言回し役が不可欠である。このオペレッタでは、支配人を演じる中村憲司である。本職はトローンボン奏者・指揮者ということだが、開幕のファンファーレから、司会・進行・支配人役として要めを演じてリードし、その間に笑いがとれるという貴重な存在となっている。
侯爵夫人の木村未希が、侯爵役の山下直を巧みにリードしていた。女性コーラスもアンサンブルが良くなり、透明感が出てきた。
伴奏のヴァイオリンと電子ピアノもカールマンの多彩な旋律とリズムを良くこなして熱演。情感を舞台に併せてより細やかに表現出来れば更に良くなる。欲を言えば、コントラバスか打楽器が欲しかった。
総じて、向上の跡がみられ、上演レパートリーとしての基礎が出来たという印象であった。
課題としては、今回も満席の盛況であったことから、より大きな舞台で上演する機会も今後あると思われるが、その場合にはやはり、音楽指揮者と演出監督が、必要になるだろう。良い適材を起用して欲しい。舞台で踊る場面のダンスももう少し巧くなって欲しいし、ヨーロッパの貴族社会のエレガントさなども表現出来たらと思う。
でも、「あヽ、面白かった。」と帰れたのは素晴らしいことであった。
以 上
そして大人気プロジェクト、沢山のご声援を受け、なんと!!
第4回目の東京公演を決定いたしました!!
2018年4月17、18日 豊洲シビックセンターホール
シルヴァ役は佐藤智恵 と今野絵理香による
ダブルキャスト公演です!!
今までのメンバーに加えて新たなキャスティングも
続々決定しております。
詳細をお楽しみにお待ちくださいませ。
次回はホール公演は生のピアノと本格的なクラシックホールで
より良い音質で楽しんでいただけると思います。
柴山さんからのブラッシュアップご希望点についてもありがたく受け止め、しっかり改善して準備を進めるつもりです。
ご期待ください!!!
ソプラノ、ムジカ・チェレステ 代表 佐藤智恵
当日の写真